デイトレは甘くない！

日経平均がついに3万を超し、マーケットに活気が戻ってきた。最大のリスクと見られた「コロナウイルス」は一転最大の買い材料となり、いまやコロナの完全収束こそが株式市場にとって最大のリスクという冗談のような本気。

この間、私が利用している楽天証券だけで新規の口座開設が100万以上となりデイトレードを始める人が増えているという。O/Nやスイングを含めデイトレを広い意味で捉えたとして、そのデイトレを経験した数百万のうち、今後も勝ち続ける人はどれくらいいるのだろう。

本を2、3冊読んでセオリーが理解できると、なんだか勝てるような気がしてくる。相場の波に乗って、数回勝つと自分でもやれるような気がしてくる。しかし・・・

デイトレは甘くない。

調子に乗せられて、あるとき突然、叩き落とされる。それはあまりに突然すぎて、あまりに気持ちが大きくなりすぎていて、思考が追いつかない。ロスカットができない。「ルールを破った」、自分ではわかっていながらオーバーナイト。その後さらに状況が悪化し、最後は莫大な損失と、立ち直れないほどの自尊心の損傷で終わる。

少なくとも私は、過去に12年間これを繰り返した。自分をどうしようもなく情けないと呪いながらも、やる度にもう二度とすまいと誓いながらも、呆れるほどに、やはり繰り返した。だから私にはわかる。

デイトレは甘くない。

この世界で戦う相手は、TOPIXを年間1％アウトパフォームするために血まなこになって情報をかき集め、損失を完璧に管理している集団。この集団の中で、私は継続的に年間1％ではなく、月間10％、TOPIXをアウトパフォームしていかなければならない。これがいかに難しいことか、たとえデイトレを経験したことがない方にも容易に想像できるだろう（経験している方には身にしみてわかるだろう）。

この大相場が始まる前に信じられないほど元金を減らし、ブログを一度たたみ、この道をあきらめかけ・・・あきらめなかった。私はやはりこの世界で生きていく。長い道草をして、やっともういちど準備ができた。これからまた少しずつ少しずつでいい、険しい道のりをしっかりと踏みしめて、目指すべきところに登っていけたらいい。そして、1日1度、必ず歩んだ道を反省し、確認するのだ。

「デイトレは甘くない！」

2021年2月　curious(キュリオス)